【Dify上級】問い合わせを貼るだけでFAQ・対応マニュアル・改善提案書を全自動生成!カスタマーサポート改善アプリの作り方

Dify上級編として、顧客からの問い合わせ内容を貼り付けるだけで、FAQ、対応マニュアル、改善提案書を全自動生成する「カスタマーサポート改善アプリ」の作り方を解説した第152話のアイキャッチ画像。左側では大量の書類やチャットの吹き出しが渦を巻いてDifyのパイプラインへと吸い込まれ、右側では腕を組んで笑顔で立つ作業着姿の49歳男性(ヤス)の横に、整理されたFAQ、MANUAL、IMPROVEMENT REPORTのデジタルパネルが近未来的なネオンブルーで浮かび上がっている様子。 Difyワークフロー

皆さんこんにちは、横浜で清掃業をしているヤスです。

前回は【Dify中級】旅行写真を撮るだけ!Instagram投稿文+ブログ旅行記+おすすめ情報を全自動生成

のアプリを作りましたね。

1. CSチームが毎月手作業でやっている「分析・FAQ更新・マニュアル整備」を丸ごと自動化します

カスタマーサポートの現場でこんな光景は見たことありませんか?「先月の問い合わせを集計してFAQを更新しないと…」「マニュアルが古くて新人スタッフが困っている」「どの問い合わせを優先して改善すればいいかわからない」これらの作業に毎月何時間も費やしているCSチームは多いはずです。

今回紹介する「問い合わせ一括分析→FAQ+対応マニュアル自動生成くん」は、その作業を丸ごと自動化します。過去の問い合わせデータを貼り付けるだけで以下が全自動生成されます。

  • 問い合わせのカテゴリ別分類と件数・割合の集計
  • 頻出Top3の根本原因分析と削減可能推定(5タイプ分類)
  • 顧客向けFAQ文書(10問以上・結論ファースト形式)
  • スタッフ向け対応マニュアル(3トーンスクリプト・クレーム3段階・禁止ワード付き)
  • マネージャー向け改善提案レポート(優先度別・KPIダッシュボード・今週のアクションリスト)

実際にECサイトの問い合わせ15件でテストしたところ、注文・返品・配送・支払いの4カテゴリに自動分類され、FAQ10問・マニュアル・改善提案6項目が数分で完成しました。

2. 実際の出力サンプル(ECサイト・15件の問い合わせ)

📊 STEP1 問い合わせ分類 【緊急度:高】トラブル・不具合:3件(20%) 【緊急度:中】注文・手続き:6件(40%) 【緊急度:低】料金・支払い:3件(20%)/ その他:3件 🔍 STEP2 根本原因分析 1位:注文・手続き(6件・40%)→①情報不足型→削減推定60〜80% 2位:トラブル(3件・20%)→③品質問題型→削減推定70〜90% 3位:料金(3件・20%)→①情報不足型→削減推定60〜80% ❓ STEP3 FAQ(Q1〜Q10抜粋) Q1. 返品したい場合はどうすればいいですか? A. 返品は商品到着後7日以内にマイページから手続きできます。 📋 STEP4 対応マニュアル クレームLv1:「ご不便をおかけして申し訳ございません。すぐに対応いたします」 クレームLv2:「大変申し訳ございません。[日付]までにご連絡いたします」 クレームLv3:即エスカレーション 🚀 STEP5 改善提案 最優先:FAQ更新(工数2時間)→推定60〜80%削減 KPI目標:問い合わせ100件→40件・FCR 70%→85%

💡 15件の問い合わせから5種類のドキュメントが数分で完成しました。月次の問い合わせ数百件でも同様に動作します。

3. このアプリが特に刺さる人

こんな人に刺さる解決できる悩み
ECサイト・SaaSのCSチーム月次のFAQ更新・マニュアル整備が自動化される
CSマネージャー・リーダー改善提案レポートが自動生成されて経営陣に報告しやすくなる
新規サービスの立ち上げ担当問い合わせが蓄積したタイミングで即FAQ・マニュアルが完成
カスタマーサクセス担当よくある質問の傾向分析が自動化されてCS戦略を立てやすくなる

4. 全体のブロック構成

#ブロック名種類役割
1ユーザー入力開始問い合わせデータ・業種・詳細度・会社名を入力
2前処理・分類LLM①緊急度・カテゴリ別に分類・件数集計
3パターン分析LLM②Top3の根本原因を5タイプで分類・引き継ぎメモ生成
4FAQ生成LLM③顧客向けFAQ10問以上を結論ファーストで生成
5マニュアル生成LLM④スタッフ向け対応マニュアル・スクリプト・クレーム手順を生成
6改善提案生成LLM⑤優先度別改善提案・KPI・アクションリストを生成
7最終整形テンプレート変換全ドキュメントを1つにまとめる
8出力終了最終レポートを出力

💡 8ブロック構成ですが各ブロックは独立した役割を持ちます。前のブロックの出力を次のブロックが引き継ぐ「引き継ぎメモ」設計がワークフロー全体の精度を高めます。

5. 事前準備|必要なものはこれだけ

  • Difyのアカウント(無料プランOK)
  • OpenAIのAPIキー(GPT-4oが使えるプラン)
  • 分析したい問い合わせデータ(10件以上推奨)
  • 所要時間:40〜60分

⚠️ 問い合わせデータに個人名・連絡先などの個人情報が含まれる場合は必ず匿名化してから入力してください。LLM①のプロンプトに「個人情報を出力に含めない」ルールを設けています。

6. 【作り方】ステップごとに丁寧に解説

STEP 1|新しいワークフローアプリを作成する

  1. Difyにログインして「アプリを作成」をクリック
  2. 種類は「ワークフロー」を選ぶ
  3. アプリ名に「問い合わせ一括分析→FAQ+対応マニュアル自動生成くん」と入力
  4. 「作成する」をクリック

STEP 2|開始ブロックを設定する(変数4つ)

変数名表示名種類必須
inquiries問い合わせデータテキスト(長文)✅ 必須
business_typeビジネス種別セレクトボックス✅ 必須
output_level出力の詳細度セレクトボックス✅ 必須
company_name会社・サービス名テキスト(短文)✅ 必須

【business_type】選択肢:ECサイト・通販/SaaS・ITサービス/飲食・店舗/不動産・賃貸/医療・クリニック/教育・スクール/その他

【output_level】選択肢:シンプル(要点のみ)/標準(通常のサポート業務向け)/詳細(マネージャー・品質管理向け)

STEP 3|LLM①〜⑤を順番に設定する

各LLMブロックの設定概要です。

ブロック役割temperature最大トークン
LLM①問い合わせ前処理・分類0.11000
LLM②頻出パターン・根本原因分析0.31000
LLM③FAQ文書自動生成0.42000
LLM④対応マニュアル自動生成0.32000
LLM⑤改善提案レポート生成0.51500

STEP 4|各LLMの変数紐づけ

ブロック参照する変数
LLM①開始.business_type / 開始.inquiries
LLM②開始.business_type / LLM①.text
LLM③開始.company_name / 開始.business_type / 開始.output_level / LLM①.text / LLM②.text
LLM④開始.company_name / 開始.business_type / 開始.output_level / LLM②.text / LLM③.text
LLM⑤開始.company_name / 開始.business_type / LLM②.text / LLM③.text / LLM④.text

STEP 5|テンプレート変換ブロックを設定する

変数名(左)参照先(右)内容
arg1LLM①.text問い合わせ分類
arg2LLM②.textパターン分析
arg3LLM③.textFAQ文書
arg4LLM④.text対応マニュアル
arg5LLM⑤.text改善提案レポート
arg6開始.company_name会社名
arg7開始.business_typeビジネス種別
arg8開始.output_level詳細度

7. プロンプト設計の工夫ポイント

① 根本原因を5タイプに分類させる(LLM②)

「問い合わせが多い」という現象だけでなく「なぜ多いか」の原因を①情報不足型・②UX問題型・③品質問題型・④認知誤解型・⑤外部要因型の5タイプに分類させます。タイプによって解決策が全く変わるため、この分類が改善提案の質を決定づけます。

② 引き継ぎメモを3LLM分生成させる(LLM②)

LLM②の最後に「LLM③(FAQ)へ・LLM④(マニュアル)へ・LLM⑤(改善提案)へ」の3種類の引き継ぎメモを出力させます。各LLMがどの情報を優先すべきかを明示することでワークフロー全体の一貫性が保たれます。

③ FAQ生成で「結論ファースト」を強制する(LLM③)

AとBとCがあって…と説明から入るFAQは誰も読みません。全ての回答を「まず1文で結論を言う」形式に統一することで自己解決率が上がります。またFAQとマニュアルで役割を明確に分離させることで同じ内容の重複を防いでいます。

④ スクリプトを3トーンで出力させる(LLM④)

標準・共感・丁寧の3パターンのスクリプトを用意することで顧客の感情状態に合わせた対応ができます。新人スタッフが「何を言えばいいか迷う」場面を減らします。

⑤ Final Checkを「出力しない」と明示する(LLM⑤)

プロンプトのFinal Checkセクションに「内部確認のみ — 絶対に出力しないこと」と明示します。明示しないとFinal Checkの内容が出力に混入するケースがあります。今回のテストでも実際にこの問題が発生しました。

Difyで構築した「カスタマーサポート改善アプリ」のワークフロー設計図と実際のテスト実行結果。左側にはユーザー入力(inquiries、business_typeなど)を起点に、「問い合わせの前処理・クリーニング」「頻出パターン・根本原因分析」「FAQ文書の自動生成」「対応マニュアル自動生成」「改善提案レポート生成」へと複数のLLMノード(gpt-4o)が直列で連動する高度な自動化フローが表示されている。右側のプレビュー画面には、実際の問い合わせデータを「料金・支払いに関する質問」「その他」にカテゴリ分類し、件数割合や代表例、特記事項を詳細に分析したレポートが出力されている様子。

8. テスト実行と確認ポイント

テスト用問い合わせデータ(inquiriesに貼り付け): 1. 注文した商品がまだ届いていません 2. 返品したいのですがどうすればいいですか 3. サイズが合わなかったので交換したい 4. 注文をキャンセルしたい 5. 支払い方法を変更したい 6. 領収書を発行してほしい 7. 商品の色が写真と違う 8. 届いた商品が壊れていた 9. パスワードを忘れてログインできない 10. 会員登録の方法がわからない 11. ポイントの使い方がわからない 12. 配送先住所を変更したい 13. 注文の確認メールが届かない 14. 請求金額が間違っている気がする 15. 定期購入を解約したい

確認ポイント一覧

  • LLM①:緊急度別分類・件数・割合が数字で出ているか
  • LLM②:Top3に根本原因タイプ(①〜⑤)が付いているか・削減推定が幅表記か・引き継ぎメモが3LLM分あるか
  • LLM③:FAQ10問以上・Aが結論ファーストか・FAQ作成メモがあるか
  • LLM④:スクリプトが3トーン揃っているか・禁止ワードが5セット以上あるか・Final Checkが出力に混入していないか
  • LLM⑤:エグゼクティブサマリーが冒頭にあるか・今すぐできることが3つ以上あるか・KPIダッシュボードの表があるか

⚠️ LLM④でFinal Checkが出力に含まれてしまう場合はプロンプトのFinal Check前に「(内部確認のみ — 絶対に出力しないこと)」と追記してください。

9. よくある質問(FAQ)

Q1. 問い合わせデータは何件以上必要ですか?

最低10件以上推奨です。10件未満の場合LLM②のFallback処理が働いて「データ不足」の警告が出ます。分析精度を高めるには30件以上・傾向を正確に把握するには100件以上が理想です。

Q2. 個人情報が含まれた問い合わせも使えますか?

使用前に必ず個人名・メールアドレス・電話番号などの個人情報を削除・匿名化してください。LLM①のプロンプトに「個人情報を出力に含めない」ルールを設けていますが、入力段階での匿名化が最も安全です。

Q3. 月次で定期的に使えますか?

最適です。毎月の問い合わせをまとめて貼り付けるだけで前月との比較・新しいFAQ・最新のマニュアルが自動生成されます。定期レポートとしてCSチームの標準業務に組み込めます。

Q4. ECサイト以外のビジネスにも使えますか?

使えます。SaaS・クリニック・不動産・教育スクールなど6種類のビジネス種別に対応しています。business_typeを選択するだけでそのビジネス特有の問い合わせパターンや対応方法に最適化されます。

10. さらに便利にする3つのカスタマイズ

① Notionのデータベースと連携する

終了ブロックの前にNotion連携ブロックを追加すると、生成されたFAQ・マニュアル・改善提案レポートがNotionに自動保存されます。月次レポートの蓄積・過去との比較が簡単になります。

② Slackに自動通知する

改善提案レポートの「今週中にやること」セクションをSlackのCSチームチャンネルに自動投稿する設定を追加できます。マネージャーが毎週確認する習慣が作りやすくなります。

③ 多言語対応を追加する

output_langという変数を追加してFAQを英語・中国語・韓国語でも生成できるようにすると海外ユーザー向けのサポートページ作成にも使えます。

11. まとめ

  • 問い合わせデータを貼り付けるだけでカテゴリ分類→根本原因分析→FAQ→マニュアル→改善提案が全自動生成
  • 根本原因を5タイプ(情報不足・UX・品質・認知誤解・外部要因)に分類して的確な改善提案につなげる
  • 引き継ぎメモ設計により5つのLLMが一貫した方向性で動作する
  • FAQ10問以上・3トーンスクリプト・クレーム3段階・禁止ワード5セット・KPIダッシュボードまで一括生成
  • 8ブロック構成。手順通りに進めれば40〜60分で完成

毎月手作業でやっていたFAQ更新・マニュアル整備・改善提案書作成が、問い合わせを貼り付けるだけで数分で完成します。CSチームの生産性を劇的に上げる一作です。
カスタマーセンターがある会社の方はぜひ使って欲しいアプリです!
そんなに複雑ではないので作ってみてはいかがですか?

次におすすめの記事

【Dify×GAS】値引き交渉を自動化!AIに営業メールを書かせて自動送信するシステムの作り方

xもやってるので良かったら見に来てください

私のエックスです。

次回も是非お楽しみに!

コメント

タイトルとURLをコピーしました