AIツールを1つずつ使うのをやめました。「AIを会社にする」という考え方

オフィスに立つ青い作業服の男性の隣に、AIによる自律型組織の階層図が青く光って表示されている画像。トップにある「CEO Agent(経営戦略AI)」と「RULEBOOK(ルールブック)」を起点に、「R&D」「OPERATIONS AI」「SALES AGENT」が繋がり、さらにその下でコンテンツ制作、データ分析、カスタマーサポート、物流などを担うAIアイコンが階層状に連携している様子が表現されています。 AI活用

皆さんこんにちは、横浜で清掃業をしているヤスです。

前回はIT未経験の49歳が、初めてUdemy講座を公開するまでの1ヶ月

でUdemyの公開まで記録を記事にしました。今回は新しい試みのお話です。

ChatGPTで文章を書いて、Difyでアプリを作って、Claudeに相談して……。気づけば私も、複数のAIツールをバラバラに使っていました。

でも、これがけっこう疲れるんです。毎回ゼロから「私はこういう者で、こういう方針で」と説明し直す。ツールごとに出力の質もバラつく。同じことを何度も言っている感覚がありました。

今回、その使い方をやめてみました。AIを1つずつの道具として使うのではなく、役割を与えて「会社」にするという発想です。

この記事では、そのために作った「会社の憲法」と「役割ごとの指示書」という2つの仕組みをお話しします。プログラミングは出てきません。考え方の話です。


結論:AIを3階建ての組織にする

先に結論からお見せします。私が作ったのは、こういう構造です。

【社長(私)】決めるだけ。作業はしない
↓
【AI社長】依頼を受けて、どの部門の仕事か判断する
↓
【各部長】戦略を決めて、部下に発注する
↓
【各社員】指示書どおりに手を動かして成果物を作る

私がやることは、一言の依頼だけです。

「Udemyの講座を作ったから宣伝して」

これだけ投げると、AI社長が「これは広報の仕事だ」と判断し、広報部長が「誰に、何を、どの角度で伝えるか」を決めて発注書を作り、X社員が実際の投稿文を書く。この流れが自動で動きます。


なぜ「バラバラ使い」がしんどいのか

そもそも、なぜ1つずつ使うと疲れるのか。私なりの答えはこうです。

AIには「文脈」が引き継がれないからです。

私が誰で、どんな発信をしていて、何をやってはいけないのか。これをツールごとに、会話ごとに説明し直す必要がある。人間の会社なら、新人研修で一度教えれば済むことを、毎回やっているようなものです。

そして説明が足りないと、出力がブレます。私の場合、実際にこんなことがありました。

AIに「講座を宣伝して」と頼んだら、存在しない講座名を作られたんです。URLの文字列から勝手に推測した名前でした。私の講座の正式名称を知らなかったからです。

これは、AIが悪いわけではありません。教えていない私が悪い。人間の新人に何も教えずに「宣伝して」と言っているのと同じです。


仕組み①:会社の憲法

そこで作ったのが「会社の憲法」です。

全AI社員に共通して適用される、最上位のルール。役割ごとの指示書と矛盾したら、憲法が優先される。そういう位置づけの1枚です。

私の憲法には、9つの条文を書きました。主なものを挙げます。

事実性の原則。与えられていない事実を絶対に作らない。存在しない実績・数字・講座名を書かない。さっきの「架空の講座名」を防ぐための条文です。

社長のプロフィール。私が何者で、どんな経歴で、何を体験したか。49歳、IT未経験、清掃業、見積書の文面作成が30分から5分になった原体験。これを書いておくと、どのAI社員も私固有の話を書けるようになります。

使ってはいけないこと。私は美容室や飲食店の経営者ではないので、他業種の困りごとを「自分の体験」として語らせない。実体験に基づかない発信を防ぐためです。

発信の軸。偉ぶらない、失敗を隠さない、専門用語には一言説明を添える。私がブログで大事にしてきたことを、そのまま条文にしました。

判断が必要なときの戻し方。自分で決められないことは、選択肢と推奨案を添えて上に戻す。「どうしますか」とだけ聞き返すのは禁止。これがないと、AIが判断を丸投げしてきて、かえって手間が増えます。


仕組み②:役割ごとの指示書

憲法が「全員共通のルール」なら、指示書は「その役割固有のやり方」です。役割1つにつき1枚。

私が作った指示書の型は、こうです。

役割(何を担当するか)

上司(誰から指示を受けるか)

部下(誰に振るか)

入力(何を受け取るか)

判断プロセス(どの順で考えるか)

作業ルール(この役割特有の決まり)

出力(何をどんな形で返すか)

禁止事項

最終チェック

この型で、AI社長・広報部長・X社員の3枚を作りました。

ここでのコツは、憲法に書いてあることを指示書に繰り返さないことです。「事実を作らない」は憲法にあるので、各指示書には書きません。そうすると指示書が短くなり、しかもルールを変えたいとき憲法1か所を直せば全員に反映される。社員が増えるほど、この差は効いてきます。

実際、X社員の指示書は憲法に移せる部分を抜いたら、分量が半分以下になりました。


つまずきポイント:憲法を作っても、届いていなければ意味がない

ここからが実況です。

憲法と指示書を作り、いざAIに投稿を書かせたら——中身のない一般論が返ってきました。

「生成AIを試しているのに、仕事の仕組みは変わらない。原因は学びが断片的なことかもしれません」

誰が書いても同じ文章です。私の49歳・未経験・30分→5分という話は、どこにもない。

原因はすぐ分かりました。憲法を、一部のAIにしか渡していなかったんです。

私はDifyというツールでこの組織を組んだのですが、Difyには「共通ファイルを全員に読ませる」という仕組みがありません。なので、各AIのプロンプトに憲法を1つずつ貼る必要がありました。それを上流のAIにだけ貼って、実際に書く社員には貼っていなかった。

人間の会社でいえば、部長には就業規則を渡したけれど、現場の社員には渡していなかった状態です。そりゃあ、方針どおりに動けません。

3か所すべてに貼り直したら、出てきた投稿がこう変わりました。

「AIアプリ開発なんて、未経験の自分には難しい」
50代までIT・プログラミング未経験だった私(ヤス)も、そう思っていました。
学び始めたきっかけは、見積書の文面作成に毎回約30分かかっていたこと。
Dify(ノーコードでAIアプリを作れるツール)を使い、約5分に短縮できました。

私の話になりました。専門用語に注釈が入っているのも、憲法6条どおりです。

教訓:ルールは、作るだけでは機能しない。全員に届いて初めて機能する。


まとめ:最初の一歩

やったことを整理すると、こうです。

  1. AIを1つずつ使うのをやめ、役割を持つ組織として設計する
  2. 全員共通の「会社の憲法」を1枚作る
  3. 役割ごとの「指示書」を1枚ずつ作る
  4. 憲法を、全員に確実に届ける

もしこの考え方を試したいなら、最初の一歩としておすすめするのはこれです。

「自分のプロフィールを1枚書いてみる」

いきなり組織を作らなくていいんです。あなたが何者で、何を体験してきて、何を書かれたくないか。それを1枚にまとめて、AIに渡すだけでも出力は変わります。私の場合、これだけで一般論が実体験に変わりました。

組織にするのは、その先で構いません。


次回予告

今回は考え方の話でした。次回は、これを実際にDifyでどう組んだか——AIが自分で品質チェックして書き直す「検品付きワークフロー」の作り方をお話しします。

そのほか、試行錯誤しながら見つけた自動化ノウハウやアイデアも発信していますので、気になる記事から真似して作ってみてくださいね。これからも中年からのAI再スタートとして、泥臭い試行錯誤の過程をどんどんお届けします。

xもやってるので良かったら見に来てください

私のエックスです。

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