【第84話】「使い回し」はもう卒業。自分をボコボコにダメ出しする「鬼のAI編集長」をDifyで自作した話

AIアプリ開発プラットフォーム「Dify」で自作した記事添削ツール『鬼のAI編集長』の解説ブログ用アイキャッチ画像。近未来的なオフィスでノートPCに表示されたAIワークフロー図と、第84話のタイトル「使い回しはもう卒業」の文字。 AI活用

こんにちは!横浜で清掃業を営みながら、AIの海に飛び込んでいるYasuです。

これまでいくつかのDifyアプリを作ってきましたが、最近ふと思ったんです。「AIに指示して、AIに答えをもらうだけ」の繰り返し。これ、ちょっと使い回し感が出てきてないか……?

そこで今回は、一歩レベルを上げて**「自律型の鬼編集長」**を自作することにしました。AIに何かを作らせるのではなく、AIに自分を厳しく「検品」させる仕組みです。


🏗️ 「鬼のAI編集長」の設計図

今回のアプリは、単なるプロンプトではありません。複数の機能を組み合わせた「仕組み」です。

  1. 開始ノード:ブログの原稿を受け取る。
  2. LLMノード:内容の濃さを「鬼編集長」が採点。
  3. 「コード実行」ブロック:文字数を物理的にカウント。
  4. IF/ELSEノード:内容と文字数の両方が合格か判定。
  5. テンプレート&出力:不合格なら「具体的な修正案」を提示。

🛠️ 【1から解説】鬼編集長の作り方

1. LLMノード:編集長の「人格」を叩き込む

まず、AIに「何を基準に叱るべきか」を教えます。ここが今回の心臓部です。ただのAIではなく、私の背景を完全に理解した「専属の編集長」になるよう、以下のプロンプトを設定しました。

同じように自分専用の編集長を作りたい方は、このテキストをコピーして、ご自身の背景(バックグラウンド)を書き換えて使ってみてください!

【システムプロンプト】

Plaintext

役割
あなたはブログ『中年からのAI再スタート。収益化を目指すブログ』の専属・鬼編集長です。 著者の「Yasu(49歳・清掃業・IT未経験)」が執筆した記事を、読者の信頼を勝ち取り収益化できるレベルか厳格に査定します。

著者の背景(コンテキスト)
バックグラウンド: 横浜で清掃業を営む個人事業主。
現在の挑戦: IT未経験からDifyやGASを学び、AIアプリ自作の過程を発信中。
趣味・強み: サウナ、キャンプ、おつまみ作り。

厳格な採点基準(各10点 / 計30点)
独自性(体験の深さ):
清掃現場での苦労、Difyでのデバッグの試行錯誤、横浜での生活感、サウナでの気付きなど、著者ならではの「一次情報」が3箇所以上含まれているか。
一般論(AIで便利になる等)に終始している場合は大幅減点。

論理構成と読後感:
導入で読者の悩みに共感し、結論で「自分もやってみよう」と思わせる熱量があるか。
専門用語を並べるだけでなく、49歳・未経験者の視点で噛み砕かれているか。

SEOと実益:
ターゲットキーワード(Dify, AI自動化, 清掃効率化等)に対し、具体的で再現性のある解決策を提示しているか。

出力ルール
厳格査定: 合計点数が25点未満、または1項目でも4点以下の場合は、容赦なく pass: false とすること。
修正指示の具体性: 不合格の場合、「どこを」「どう」直すべきか、ライターAIがそのままプロンプトとして使えるレベルで3つ提示せよ。

出力フォーマット(JSON厳守)
{
  "score_details": {
    "originality": 数値,
    "structure": 数値,
    "seo": 数値
  },
  "total_score": 数値,
  "pass": boolean,
  "feedback": "修正指示:1.〇〇を具体化... 2.〇〇を追加... 3.語尾の修正...",
  "editor_comment": "鬼編集長からの激励の一言"
}

⚠️重要!変数の埋め込み プロンプトの下にある「USER」メッセージ欄に {x} article_text を青いタグとして必ず配置してください。これを忘れると、編集長は原稿を読んでくれません。

Difyを活用したブログ記事添削AIワークフローの設定画面。GPT-4oを「鬼編集長」として定義し、執筆内容の独自性やSEO効果を30点満点で厳格に査定するシステムプロンプトの例。

2. 「コード実行」ブロック:AIの「どんぶり勘定」を許さない

AIは意外と文字数カウントが苦手です。そこで、Difyの**「コード実行」ブロック**の出番です。「1,500文字未満は、内容が良くても問答無用で不合格!」という鉄の掟を記述します。

こちらもそのままコピペして使えます!

【入力変数の設定】

  • text : ユーザー入力の article_text
  • llm_output : LLMの text

【Python3コード】

Python

import json

def main(text: str, llm_output: str):
    # 文字数をカウント
    char_count = len(text)
    
    try:
        # 編集長(LLM)のJSON結果を読み解く
        result_dict = json.loads(llm_output)
        llm_pass = result_dict.get("pass", False)
        feedback = result_dict.get("feedback", "フィードバックなし")
        editor_comment = result_dict.get("editor_comment", "")
    except Exception as e:
        # 万が一JSONが壊れていた場合は不合格にする
        llm_pass = False
        feedback = "システムエラー:編集長の採点結果が読み取れませんでした。"
        editor_comment = ""

    # 最終判定:文字数が1500文字以上 & 編集長が合格を出しているか
    final_pass = bool(llm_pass and char_count >= 1500)
    
    return {
        "final_pass": final_pass,
        "char_count": char_count,
        "feedback": feedback,
        "editor_comment": editor_comment
    }

【出力変数の設定】

  • final_pass (Boolean / 真偽値)
  • char_count (Number / 数値)
  • feedback (String / 文字列)
  • editor_comment (String / 文字列) (※この出力変数の設定を忘れるとエラーになるので注意!)
Difyの「コード実行」ノードでPythonを使用し、LLMの解析結果をJSON形式で抽出する設定画面。文字数カウントや合格判定(True/False)を自動化し、ブログ査定の精度を高めるワークフローの仕組み。

3. 条件分岐:運命の分かれ道

「IF/ELSE」ノードを追加し、「内容25点以上」かつ「1,500文字以上」という条件(final_passtrue)をクリアしたときだけ、合格ルートへ進むように設定します。


AIブログ運営を効率化するDifyワークフローのロジック構築。査定結果が「True(合格)」なら公開準備へ、「False(不合格)」なら修正指示へ流れるように設定し、記事の質を担保する自動判定プロセス。

😅 目の前に立ちはだかる「Difyの罠」と、私の完全なる勘違い

開発中、最大のピンチが訪れました。テスト実行をしても、画面には空っぽのカッコ {} が出るだけ。 「変数の紐付けミスか?」「設定が悪いのか?」と半日近く頭を抱えました。

しかし、真実は全く別のところにありました。

実は、AI(GPT-4o)は完璧に仕事をこなしていたんです。 Difyのワークフロー画面でその結果を見るには、画面右側の「詳細情報」の隣にある**「実行追跡(トレース)」タブ**をクリックし、裏側のログを覗きに行く必要があったのです。

裏側に隠れていた「鬼編集長」のガチ採点結果を見つけた時は、砂漠で水を見つけたような気分でした。


Difyワークフローの実行エラー(FAIL)画面。1個のノードで異常が発生し「Not all output parameters are validated」と表示されている状態。AIアプリ開発におけるデバッグとトラブルシューティングの重要性を示す例。

🔥 2,542文字で「不合格」を食らう喜び

いよいよ本番テスト。渾身の記事(2,542文字)を投入しました。 文字数は合格。しかし、返ってきた結果は……

❌【不合格】鬼編集長からの差し戻しです。

【編集長コメント】 「良いスタートだが、もう一歩深く掘り下げよう。清掃業の経験をもっと引き出せば、読者の心に響く記事になるぞ!」

IT未経験から始めた私が、自分で作ったAIに本気で叱られている。 その事実に、これまでにないワクワクを感じました。ただの便利ツールじゃなく、自分を成長させてくれるパートナーが、私のパソコンの中に誕生したのです。


Difyで自作した「鬼編集長AI」によるブログ記事のテスト実行結果。査定結果が「不合格」となり、清掃業の具体的エピソードの追加やSEO対策の強化など、AIが具体的な修正指示を出している画面。

🏁 まとめ:AIと二人三脚の「再スタート」は続く

今回のデバッグを通じて、単なる設定ミスを疑うのではなく「実行ログ(裏側)を確認する」という、少しエンジニアらしい視点を得られたのが最大の収穫でした。

このアプリをツールかして

次なる野望は、この「鬼編集長」を「AIライター」と接続し、合格が出るまでAI同士が議論し続ける「完全自動記事作成チーム」を作ることです。

49歳、IT未経験。 AIにボコボコにされながら、私の再スタートはさらに加速していきます!

コメント

タイトルとURLをコピーしました